革靴を履き込んでいくうちにニオイが気になってくることはよくあることです。
靴の中がなんとなく気持ち悪いと感じるようになったら、丸洗いを検討してみてはいかがでしょうか。
半年に1回くらいのペースであれば、多くの革靴は家庭で丸洗いしても問題ありません。
今回は、革靴を丸洗いする際の下準備や、基本の手順について紹介します。
洗える素材かどうかを確認
革の素材はたくさんあり、丸洗いできる革靴ばかりではありません。
ヌメ革やエナメル、スエード、エキゾチックレザーなどは、デリケートな素材です。
シミができたり、風合いを損ねたりといったリスクがあるため、家庭での丸洗いは避けましょう。
一般的な革靴は洗うことができますが、牛革の革靴にも染料が色落ちしやすいものはあります。
水を含ませた布で拭いてみて、色が落ちやすいと感じる場合は、丸洗いしないことをおすすめします。
判断に迷うようでしたら、靴の修理サービスに相談すると安心です。
革靴を洗うための下準備
革靴を丸洗いするうえで、下準備は非常に大切な工程です。
仕上がりを良くするために、忘れずに行いましょう。
〈用意するもの〉
・馬毛ブラシ
・歯ブラシ
・布
・クリーナー
①靴紐を全て外す
最初の段階で靴紐を取り除きます。
細かい汚れを取り除き、仕上がりにムラを作らないために必要な工程です。
②革靴の表面のホコリを除去する
馬毛ブラシを使って、革靴の表面をブラッシングします。
チリやホコリなどの汚れをはらう作業です。
靴紐がついていたあたりに溜まった細かいホコリもきれいに取り除きましょう。
③靴の中のホコリを除去する
靴の中にもホコリは溜まっています。
つま先部分に溜まっている場合もあるため、柔らかい歯ブラシを使って掻き出すとスムーズです。
④靴クリーム・ワックスを拭き取る
古い靴クリーム・ワックスの成分が表面に残っている場合、丸洗いするときに水が上手く浸透していきません。
きれいに洗えないだけでなく、シミやムラができる場合もあります。
専用のクリーナーを布につけて拭き取っておきましょう。
〈重要〉
もし、革靴の中にカビがついている場合には、このまま水洗いをするとカビを増やしてしまうことになりかねません。
カビは水分を好むため、洗うことでカビを増やしてしまうリスクがあるのです。
靴の中のニオイを嗅いでみて、目では確認できなくてもカビ臭い場合には、必ず除去しましょう。
カビ取り専用のミストやシートを使うとスムーズです。
革靴の基本の洗い方
下準備ができたら、早速丸洗いをしましょう。
洗ったあとはしっかり乾かす必要があるため、3〜5日程度は余裕をもっておいてください。
〈用意するもの〉
・サドルソープ(革靴専用のクリーナー)
・やわらかいスポンジ
・やわらかい歯ブラシ
・タオル
・新聞紙
・シューキーパー
・保革クリーム
①ぬるま湯で革靴を濡らす
ぬるま湯で革靴の表面を濡らします。
お湯を溜めた洗面台やバケツに数分間入れておいても良いでしょう。
全体が濡れたら十分です。
②スポンジで洗う
食器洗い用などのやわらかいスポンジにサドルソープをつけて革靴を洗います。
表面と内側を、優しくなでるように洗いましょう。
③歯ブラシで洗う
スポンジで行き届かない細かい部分は、やわらかい歯ブラシを使って洗います。
ソール周辺も歯ブラシを使うときれいになります。
④すすいで拭く
スポンジや歯ブラシで泡立てながら洗ったあとは、大まかにすすぎます。
サドルソープの成分が、革靴に多少残っていても問題ありません。
濯いだあとは、タオルで全体を拭きます。
乾かす前に水分をできるだけ取り除いておきましょう。
⑤日陰で乾かす
天候や季節によって乾く日数は変わりますが、時間をかけてしっかり乾かしましょう。
風通しが良い日陰で、壁に立てかけるようにして置いておきます。
革靴の中に丸めた新聞紙を入れておくと、水分を吸収してくれるため早く乾きます。
水分を吸い込んだら新聞紙を取り替えるという作業を、余裕があれば数回繰り返してみてください。
ある程度乾いてきたら新聞紙を取り出して、シューキーパーを入れておくと、きれいな形をキープして乾かすことができます。
⑥仕上げにクリームを塗る
革靴を丸洗いする工程で、革に必要な水分や油分が奪われてしまい、乾燥しやすい状態になっています。
完全に乾く前でも問題ありませんので、保革クリームを塗って栄養を与えておきましょう。
十分に革靴が乾いたら完了です。
まとめ
今回は、家庭での革靴の洗い方を紹介しました。
革靴を水を使って洗うと靴の内側まできれいになり、ニオイも気にならなくなります。
爽やかな履き心地を取り戻せるため、洗える素材であれば挑戦しても良いでしょう。
革靴の丸洗いは、汚れを落とす・洗う・保湿するというシンプルな手順ですが、しっかり乾かすためには3日〜5日程度は必要です。
革靴を上手く洗えるか不安な場合や、手間をかけたくない場合は、靴の修理サービスに依頼すると安心です。
頻繁に洗うことは推奨できませんが、ニオイが気になってきたときには丸洗いをして、清潔な環境を守っていきましょう。