革靴を履いていくうちに足の甲の部分にシワが入る状況は、完全に避けることはできません。
シワが深くなればなるほど、くたっとした印象を纏い、履いている側としても気分が上がらないものです。
ただし、革靴にできてしまった履きジワは、多くの場合、目立たなくなる状態まで復活できます。
今回は、シワが深くならないためのお手入れ方法や、できてしまったシワの直し方を紹介します。
シワができやすくなる行動パターンを避け、素敵な足元をキープしましょう。
革靴にシワができやすくなる原因
どんなに気をつけていても、革靴を履き続けているとシワはできるものです。
ただ、通常よりシワができやすくなったり、深くなったりする状況には次のような原因が考えられます。
まずはこれらを避けることが大切です。
・履きすぎている
「履きジワ」というように、同じ革靴を連日履きつづけていると、シワがどんどん深くなります。
シワを伸ばす時間を十分に与えることが必要です。
・お手入れが不足している
革靴は、定期的にお手入れをしていないと状態が悪くなります。
しばらく革を伸ばしていないとできたシワは深くなり、栄養補給を怠っていると乾燥してしまいます。
お手入れ不足が原因で、くっきりとシワがつき、ヒビ割れを起こすこともあるのです。
・サイズが合っていない
サイズや幅が大きい革靴を履いていると、靴の中で足が大きく動くことになります。
足にフィットしていないことが原因で革に負荷をかけてしまい、シワが入りやすくなります。
革靴にできたシワの基本的な直し方
革靴にできたシワは、早いうちに対処すれば、目立つほどのシワにはなりません。
まずは、基本的な直し方を紹介します。
・シューキーパーを活用する
革靴を履いている間、体温によって革靴も温かくなります。
温かさと合わせて柔らかくなった革には、足の形や動きに合わせてシワが入っていきます。
このまま放置すると、シワが入ったまま温度を下げ、固まってしまうのです。
そんな状況を繰り返すと、シワはどんどん深くなるので気をつけましょう。
革靴を履かない間は、靴の中にシューキーパーを入れておくのが理想的です。
履いた日についた履きジワを、手っ取り早く伸ばすことができます。
日頃からシューキーパーを使っていると、シワが深くなる状況を避けやすくなります。
・革靴用のクリームで栄養を補給する
革靴は、定期的に栄養補給をすることが大切です。
月に一回などとルールを設ける必要はありませんが、一足を10回くらい履いたら、革のコンディションに気を配ると良いでしょう。
革が乾燥してきていることを感じたら、まずはブラッシングをして細かい汚れを落としてから、革靴用のクリームをクロスを使って全体に塗ります。シワの部分は丁寧に塗っておきましょう。
革靴用のクリームには、油分や水分などをはじめとする革に必要な栄養が入っています。
クリームを塗り終わったら、シューキーパーを入れて、風通しの良い場所で自然乾燥させます。
〈補足〉
ここではシューキーパーを使って革靴の形を整える方法を紹介しましたが、シューキーパーがない、もしくは足りない場合には、新聞紙を詰めるという方法でもある程度の効果に期待できます。
詰めすぎには気をつけてください。
深いシワには熱を利用した直し方が効果的
日々の仕事が忙しく、革靴のお手入れができていなかったために、革靴にしっかりとシワができてしまったというケースはよくあることです。
見た目の印象が悪くなったとはいえ、捨ててしまうのはまだ早いかもしれません。
シワが深い場合は、先ほど紹介したお手入れだけでは復活できない可能性が高いです。
その場合は、ドライヤーなどの熱の力を少し借りると良いでしょう。
20cm以上離してドライヤーの熱を少しあてたあとに、革用の靴クリームを塗り、シューキーパーを入れた状態で自然乾燥させます。
熱によって革が少し柔らかくなるため、お手入れの効果が高まります。
〈注意〉
熱を使ったシワの直し方の中で、アイロンを使う方法を見かけることがありますが、あて布をしていても一般的なアイロンを革靴に当てると、革を傷つけるリスクがあるため危険です。
直接当てることなく蒸気を浴びさせられる、ハンディタイプのスチームアイロンであれば、スムーズにできるでしょう。
まとめ
今回は、革靴にシワができる原因や、自宅でできるシワの直し方を紹介しました。
革靴を履き続けていると小さなシワは必ずできますが、靴の選び方や、履き方、普段のお手入れによって、シワを深くさせないことができます。
まずはサイズに合った革靴を選び、3足程度を履き回すことが大切です。
普段からシューキーパーを活用し、定期的に革用の靴クリームを塗って栄養を与えてあげてください。
これだけで、その日についたシワを簡単に直すことができます。
シワが目立つ状態になった場合は、ドライヤーなどの熱を少し利用しても良いでしょう。
自宅で期待する状態まで直せなかった場合は、靴修理の専門サービスに相談してみてくださいね。
シワを伸ばして、革靴を長く愛用していきましょう。