革靴は、ケアをしながら大切に履いていても、どうしてもソール(靴底)がすり減ってしまうものです。
革靴のソール修理には、つま先やヒールなどの部分的な修理とは別に、ソール全体を新しくする「オールソール交換」があります。
ソールが全体的にすり減ると、見栄えが悪くなるだけでなく、地面でつまずいたり、滑りやすくなったりします。
オールソール交換で、新品のような理想的な状態へと復活させましょう。
革靴のソール修理「オールソール交換」とは
オールソール交換とは、ソール(靴底)全体を新しいものに張り替える修理のことです。
履き慣れた内側のフィット感を残しながら、新品のようなソールの安定感を取り戻すことができます。
ソールの種類はたくさんあるため、元々のイメージに近いソールに張り替えるだけでなく、ソールの素材を変えて革靴の雰囲気を変えることも可能です。
レザーの高級感をそのまま残したい、ラバーソールに変更してグリップ力を上げたいなど、靴修理専門サービスに相談すると良いでしょう。
オールソール交換を検討するタイミング
つま先とヒールの両方が劣化してきたときがオールソール交換を検討する目安です。
ソールが全体的にすり減ってきたときや、穴が開いたとき、割れたときなどにオールソール交換をします。
レザーソールの場合はソールが薄くなってきたとき、ラバーソールの場合はソールの凹凸が消えてきたときが交換時期です。
また、ソールを縫い付けている糸が切れてしまった場合にも、オールソール交換を検討してみてください。
少しの劣化でオールソール交換をすると、靴全体に負荷がかかります。
ソールのつま先部分、もしくはヒール部分のいずれかのみがすり減ってきたときには、つま先部分の補強やヒール交換をするのが一般的です。
オールソール交換の修理内容
オールソール交換とはどのような修理内容なのかについて、簡単にご紹介します。
①劣化したソールを取り外す
革靴のソールは、いくつかのパーツを組み合わせてできています。
下準備をしたあと、劣化したヒールやソールのパーツを取り外します。
ソールが縫い付けてある革靴の場合は、糸をきれいにほどく作業も必要です。
②クッション材のコルクを交換する
ソールを外すと、靴底にはクッション材としてコルクが入っている場合が多いです。
劣化したコルクをきれいに取り除き、新しいコルクを埋め込んで接着させます。
③新しいソールを取り付ける
新しいソールがきれいに接着するよう、ソールの表面を削ったり、形を整えたりといった下準備が必要です。
下準備ができたら、新しいソールを貼り付けます。
接着したあとはソールの余分な部分を切り落として、機械で削りながらきれいに整えます。
ソールを縫い付けてある革靴の場合には、このあと同じ製法で縫い直します。
④新しいヒールを取り付ける
靴底の取り付けが終わったら、新しいヒールのパーツを取り付けていきます。
取り付けたあとは、余分な部分を切り落として、削って整えます。
両足のバランスが整うための調整も必要です。
⑤きれいに仕上げる
ソールやヒールの交換だけではなく、本来の革靴にきれいに馴染むように仕上げることが大切です。
底面や側面にインクを塗り、色合いと光沢感にこだわります。
もともとのイメージと同じようになるよう調整します。
革靴の雰囲気・機能を変えたいときにもソール交換はおすすめ
ソール交換は革靴を長く履くために有効な手段ですが、革靴の雰囲気を変えたり、機能性を見直したりしたいときにもおすすめです。
ソールをもう少し分厚くしたい、地面で滑りやすいためグリップ力を上げたいなど、実際に革靴を履いてみると理想のシルエット・履き心地ではなかったために要望が出てくることもあるでしょう。
ソールが劣化したから処分する時期が来た、理想の革靴ではなかったからあまり履かないとった状況になるともったいないのです。
オールソール交換は新しく革靴を買い替えるよりもリーズナブルなので、そういうときにも検討してみてください。
まとめ
革靴はどんなに大切に履いていても、ソールがすり減ってくるものですが、適切なタイミングで修理をすることで長く履き続けることができます。
今回は、革靴のソールを交換する修理「オールソール交換」について紹介しました。
オールソール交換とは、劣化したソールを外して、新しいソールに付け替える修理方法です。
ソールが全体的にすり減ってきたときや、ソールに穴があいたときは検討してみてください。
凹凸が消えてきたラバーソールも、新しいソールに交換すれば、滑りにくく歩きやすくなります。
手間と技術を要する修理ですが、靴修理専門サービスに任せると、まるで新品のような履き心地を取り戻せます。
履き慣れて愛着のある革靴は、ソールが劣化した程度であればまだまだ履ける可能性が高いです。
靴修理専門サービスに相談してみてはいかがでしょうか。