お手入れが行き届いた革靴を履いていると、自信を持って出掛けられるということはありませんか?
革靴のつま先は傷みやすい部分であり、よく目立つ部分でもあります。
今回は、革靴のつま先に起こりやすいトラブルを想定し、アッパー(表面)とソール(底面)の修理方法をご紹介します。
革靴のつま先にはトラブルが起きやすい
革靴はビジネスやフォーマルなシーンにおいて必需品ですが、他の素材の靴と比べて繊細です。
おろしたての革靴を一日履いただけでソールがすり減ったというような経験がある方もおられるのではないでしょうか。
つま先のトラブルには、アッパー部分のキズや擦れ、ソール部分のすり減りや剥がれなどがあります。
特につま先が細く尖ったデザインの場合、壁や階段につま先をぶつけたり、つまずいたりしやすいものです。
せっかくお洒落な革靴を履いていても、つま先が傷んでいると印象が台無しになります。
キズや擦れなどが目立つ前に修理をしましょう。
革靴のつま先の修理 |アッパー(表面)編
アッパー部分に擦りキズが付いたり、革の一部が剥がれたりしたときの修理方法を紹介します。
アッパーのトラブルは、軽度であれば自宅で修理することは難しくありません。
擦りキズの修理
自分の両足同士が擦れたり、壁に擦ったりすると、つま先に浅いキズができることがあります。
浅い擦りキズなら、自宅でも時間をかけずに修理できます。
まずは、キズの凹凸が滑らかになるように紙やすりで擦りましょう。
表面の凹凸が消えたら、革靴と同じ色合いの補修クリームを指につけ、キズがあった箇所に塗ります。
補修クリームが乾いたら、靴の表面全体と馴染むように再度紙やすりで擦ります。
革の剥がれの修理
道でつまずいたり、突起物にぶつかったりした衝撃により、革の一部が剥がれることがあります。
革が剥がれた場合も、革靴と同じ色合いの補修クリームを使用します。
凹んだ部分が埋まるように、少し余分なくらいまで重ねて塗りましょう。
しっかりと乾いたら、靴の表面全体と馴染むように紙やすりで擦ります。
その後、レザークリームをつま先にのせて豚毛などの柔らかいブラシで伸ばしてください。
そうすることで風合いも馴染み、剥がれた部分が目立たなくなります。
《 Point 》
ブラックやブラウンなどベーシックカラーの革靴であれば、自宅でもかんたんに補色修理ができます。
複数色の補修クリームを混ぜ合わせて革靴と同じ色を作ると、よりきれいに仕上がります。
珍しいカラーの革靴の場合は、靴修理の専門サービスに任せると安心です。
革靴のつま先の修理 |ソール(靴底)編
革靴のソール(靴底)の修理には知識や技術を要するため、靴修理の専門サービスに任せましょう。
長く履けるように補強することができます。
つま先部分がすり減ったとき
ソールのつま先部分がすり減っていることに気づいたら、早めに修理をしましょう。
ウェルト部分(アッパーとソールの間のパーツ)がむき出しになるまでには修理をしたいところです。
履きおろす前に依頼をして、すり減りを防ぐこともできます。
・ラバーソール加工
ソールのつま先部分にラバーソールを貼って補強する方法です。
すり減った部分をカバーできるだけでなく、滑りやすいレザーソールにグリップ力が備わります。
雨の日でも滑りにくくなり、歩きやすく感じられるでしょう。
・スチールソール加工
レザーソールのつま先部分にスチールソールを付けて補強する方法です。
金属でつま先を保護することができるため、丈夫でお洒落に仕上がります。
つま先が削れてきてからでも装着可能ですが、購入直後にスチールソール加工をするケースも多く見られます。
・オールソール交換
つま先のすり減りだけでなくソールが広くすり減っている場合には、ソール全体を新しいものに交換する修理方法もあります。
ソールの種類を選べば、レザーソールからラバーソールに交換することも可能です。
ソールが剥がれたとき
革靴のソールがつま先部分から剥がれてくることがあります。
衝突などが原因で剥がれることもありますが、接着剤の劣化が原因であるケースが多いです。
接着剤が経年劣化している場合、ソール全体が剥がれてくる可能性もあります。
ソールの剥がれは、靴修理の専門サービスに任せましょう。
古い接着剤を残さずきれいに取り除いて、革靴に合った接着剤でしっかりと接着することができます。
まとめ
革靴のつま先はダメージを受けやすい部分ですが、多くのトラブルは修理が可能です。
アッパー部分の擦りキズや革の剥がれにおいては、軽度であれば自分でもきれいに修復することができます。補修クリームや紙やすり、レザークリーム、豚毛ブラシなどは、革靴のケアアイテムとして持っておくとスムーズです。
ソールの修理では知識と技術を要するため、靴修理の専門サービスに任せるのが安心です。
革が剥がれたり、ソールが剥がれたりすると寿命かもしれないと思ってしまいがちですが、まだまだ履ける場合が多くあります。
修理を加えながら、長く大切に履きましょう。