とっとりNOWは鳥取県の自然、歴史、人、文化などの様々な分野から魅力を発掘、発信されている情報誌です。
今回、企業紹介欄にシュプリを紹介いただきました。
少しでも多くの人にシュプリのサービスを知っていただけると幸いですし、これをきっかけに足元を大切にしてくれる人が増えてくれるとまた喜びに繋がります。
お時間のある方はぜひご一読ください。
同社の朝は、保管庫にある膨大な靴を1足1足、靴職人が直接目で見て状態を確認することから始まる。「靴は生き物と同じ、実物を確認しなければ状態はわかりません」と社長の岸田将志さんは話す。
「手のひらに靴箱を」をコンセプトに、スマートフォンから靴の保管やメンテナンスを請け負う「クラウド・シューズボックス」のサービスを立ち上げたのは2015年、祖父母が創業した倉吉市内の靴屋で。、「祖父の形見の思い出の靴を綺麗にしてほしい」という依頼を受けたことがきっかけだった。
「綺麗にしてお返ししたら、本当に喜んでもらえて、その他にも『大切な靴にカビが生えた』、『靴の収納スペースが足りない』という声を多く聞いていたので、手軽に利用できるサービスがあればと、思いついた」と当時を振り返る。
2017年秋にウェブサイトが完成し、本格的にクラウド型保管サービスをスタート。利用方法はいたって簡単だ。ウェブサイトから申し込みをして(1足2,980円〜)ダンボールなどに靴を入れ、指定した日時を場所で配送業者が引き取る。数の上限はなく、期間も無期限。靴のリストを1足ずつ写真付きで確認でき、希望日の引き取りのほか、メンテナンスサービス(オプション)も依頼できる。
その着眼点や発想が評価され、2018年4月には「鳥取県ビジネプランコンテスト」で最優秀賞を受賞。テレビの全国放送でも紹介されたことで、ファッションに関心が高い都市部の女性を中心に利用者が広がり、ウェブサイトからは約1000人、店頭でも申し込みを合わせると、さらに2倍になるという。
利用者が増える一方で、靴職人の数は年々減っている。「その技術が失われてしまうのは本当に惜しいこと。職人さんと一緒にサービスを展開できれば」と、ウェブサイトから申し込める紳士靴の修理サービスも開始。デジタルと職人技が融和して誕生した新しいサービスの形に、今後が期待される。
文/倉垣 弘美 写真/萱野 雄一