革靴を天日干しすると危険!やってはいけない理由と適切な湿気対策


「一日履いた革靴は、コップ一杯分の汗を吸っている」といった話を耳にしたことがある人は多いのではないでしょうか。

革靴は湿気に弱く、ジメジメした環境に晒されていると、カビが生える可能性もあります。

「それなら、洗濯物のように日当たりの良い場所で乾かすのが、最も手っ取り早いのではないだろうか?」と思っても仕方がありません。

しかし革靴の天日干しは、さまざまな劣化を引き起こす原因となり、大変危険なのです。

今回は、革靴を天日干ししてはいけない理由と、正しい干し方、普段からできる湿気対策について解説します。

革靴を天日干しすることが危険な理由

革靴を天日干しすることが危険な理由

革靴を干すときに「陰干し」が基本なのは、革が紫外線に弱い特徴があるからです。

革靴を天日干しすると、次のようなトラブルを引き起こすリスクがあります。

・革に必要な油分・水分が抜ける

天日干しをすると、革靴の中の水分(汗)だけが乾くのではなく、革に必要な油分と水分までもが失われていまいます。

強い紫外線に晒されたタオルがパリッとしてしまうようなイメージです。

場合によっては、革の表面にヒビが入る場合もあります。

・革の色が褪せる

革靴が長時間太陽の光を浴びていると、革の色が褪せてしまうことがあります。

全体的に色褪せするとは限りませんので、部分的にシミのように色が褪せてしまうケースも考えられます。

革靴の表面の色合いにムラができると、どこかくたびれた印象になってしまうでしょう。

・ラバーソールが劣化する

ラバーソールや、ゴムで靴底を補強している場合、紫外線に当たることでゴムが劣化していきます。

ゴムが固くなり、ヒビが入ることもあります。

革靴の正しい干し方

革靴の正しい干し方

革靴を干すときは、陰干しをすることが基本です。

陰干しとは、直射日光が当たらない場所で干すこと。

屋外でも室内でも問題ありません。

庭やバルコニー、窓際など、風通しの良い場所を見つけると良いでしょう。

とはいえ、一日を通して太陽の位置は変わります。

屋外で干す場合は、太陽が高い位置にある11時〜16時頃には直接日光を浴びないよう気をつけましょう。

また、靴の中の湿気を放出するのにかかる時間は、季節や天候、時間帯によって変わります。

湿気が多い日に陰干しすると逆に湿気を吸うことになりますので、カラッとした日を選んでください。

日陰に24時間干し続けるような方法ではなく、6時〜20時頃までの間に陰干しをどれくらい行うがポイントです。

温かい季節であれば半日〜一日程度で十分ですが、寒い季節では二〜三日程度は履かないでおき、明るい時間帯に日陰に干しておくと良いでしょう。

定期的に陰干しをすることで、靴の中を十分に乾かしながら殺菌することができます。

 

〈補足〉

雨に濡れてしまったり、旅行や出張で連日履いたりなど、明らかに革靴の中が湿った状態から陰干しする場合は、つま先部分に丸めた新聞紙を詰めておくことをおすすめします。

新聞紙が水分を吸ってくれるため、スムーズに乾かすことができます。

新聞紙が湿ってきたら交換するというステップを数回繰り返すと更に効率的です。

習慣にしておきたい革靴の湿気対策

習慣にしておきたい革靴の湿気対策

一日履いた革靴は大量の汗を吸っているため、続けて履くとニオイやカビ発生の原因となります。

定期的な陰干しは大切ですが、普段からも湿気対策をしておきたいところです。

・一日履いたあとは数日休ませる

一日履いたあとは二〜三日は履かないでおき、靴の中の湿気を取り除く時間を与えましょう。

3〜5足の革靴をローテーションすることが重要です。

・革靴の中に乾燥剤を入れる

一日履いたあとは靴の中に乾燥剤を入れておくと、湿気を効率的に取り除くことができます。

竹炭が入ったものや、シリカゲルが入ったものなど、靴用の製品が多く販売されています。

100均でも購入できるほど手軽なので、使って損することはありません。

・木製のシューキーパーを使う

靴用の乾燥剤を入れてある程度の湿気を取り除いたあとは、木製のシューキーパーを入れておくことをおすすめします。

履きじわのついた革靴のシルエットをきれいに伸ばしながら、木が湿気を吸い取ってくれます。

まとめ

革靴はお手入れをしないで履き続けていると、どうしても湿気を吸い続けることになり、ニオイやカビの発生を避けることができません。

こまめに湿気を取り除いて殺菌をするために、定期的に風通しの良い場所で干す時間をとりましょう。

そこで気をつけたいのが、天日干しではなく、陰干しをすること。

天日干しをすると、太陽の光を直接浴びることで、革靴を傷めてしまいます。

革に必要な油分や水分が失われたり、色褪せをしたりと、逆に劣化を引き起こす原因となりますので、陰干しであることが重要なのです。

天日干しと比べて、完全に湿気を放出するのに時間がかかりますが、つま先に丸めた新聞紙を詰めるなどして効率的に乾かしましょう。

普段からできる簡単な湿気対策をしておけば、頻繁に陰干しする必要はありません。

大切な革靴を湿気から守り、大切に履いていきましょう。

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